
歯並びが悪く、矯正が必要な子どもが増えている!?
いま、顎の骨が小さく、歯列矯正が必要なお子さんの割合が増えています。本日は最近のお子さんの歯並びの傾向についてご紹介します。

歯並びが悪い
子どもが2倍に増えている!?

文部科学省の学校保健統計調査によると、不正咬合の疑いがあり、専門医(歯科医師)による診断が必要とされた子どもの割合は、18年で約2倍に増えています。(5歳児の不成功子の割合が平成18年が2.45%、令和6年が4.64%)
また、吉祥寺セントラルクリニックによる全国の歯科医師を対象にした調査によると、92.8%の歯科医師が「年々歯並びが悪い子どもが増えてきていると感じる」と答えています。
子どもの歯並びに異変
その背景とは?

子どもの歯並びが悪くなってきている原因は主に「顎の骨が小さい子が増えた」ことです。食生活・運動習慣・遺伝などの影響で顎が小さい子どもが増え、それに対して歯の大きさや本数は変わらないため、顎に歯が収まりきらず矯正が必要な子どもが増えています。
原因①食生活の変化
加工食品や柔らかい食べ物を摂る機会が増え、しっかり噛むことが減っています。噛む機会が少ないと顎の骨や筋肉が十分に発達せず、結果として顎が小さくなり、歯がきれいに並ぶためのスペースが足りなくなります。
原因②口呼吸の増加
口呼吸が習慣化すると舌の位置が下がり、顎や歯並びにも悪影響を及ぼします。食生活や遺伝の影響で顎の骨が小さいと舌が口に収まりずらく口呼吸にもなりやすくなります。口呼吸の習慣がさらに顎の骨をゆがませ、歯並びを悪化させてしまいます。
原因③運動不足
都市化・コロナ禍・スマートフォンの普及などの影響で、外で遊ぶ時間が減り、運動不足になる子どもが増えています。運動が不足すると噛む力や顎の発達に必要な全身の筋力が低下してしまいます。
原因④遺伝的要因
歯並びの悪さには遺伝的な要因も大きく関与しています。両親が顎が小さい場合、子どもにも遺伝する可能性が高いです。
いま全体的に顎の骨が小さい子どもが増えてきているということは、今後もさらに遺伝で顎が小さい子どもが増え、矯正が必要な子どもが増えていく可能性が高いです。
顎が小さいことによるリスクとは

歯が綺麗に並ばない
顎が小さいと、歯が並ぶためのスペースが不足して歯並びが悪くなるリスクが高まります。特に子どもの場合、乳歯から永久歯への生え変わりの時期にスペース不足が顕著になり、矯正が必要となることが多いです。この状態を放置すると、将来の矯正治療がより複雑になるリスクが高まります。
噛み合わせのズレ
顎が小さく歯並びが悪い場合、噛み合わせのズレが生じやすくなります。正しい噛み合わせができないと、食べ物を効率よく噛むことが難しくなり、消化器官への負担がかかるだけでなく、顎関節の痛みや頭痛などのトラブルに繋がることもあります。
鼻呼吸ができず口呼吸になりやすい
顎が小さいことで気道が狭くなり、鼻呼吸が困難になる場合があります。その結果、口呼吸が習慣化してしまうことがあります。口呼吸が習慣化すると乾燥した空気を直接吸い込むことで口内が乾燥し、むし歯や歯周病のリスクが増加します。また、正しい姿勢や顔の発達に悪影響を与えます。
虫歯や歯周病のリスク増加
歯並びが悪いと歯ブラシが届きにくい箇所ができ、プラークや歯垢が溜まりやすくなります。これにより虫歯や歯周病のリスクが増加します。
発音や滑舌への影響
歯の位置や顎のズレは滑舌にも影響を及ぼします。たとえば歯並びが悪いと舌が正しい位置に動かず、サ行やタ行などの発音に影響が出たり、歯の隙間から空気が漏れて発音しにくくなったりすることがあります。
食べ物をうまく噛めない、飲み込めない
歯並びが悪かったり噛み合わせがズレていたりすると、食べ物を十分に噛むことが難しくなります。その結果、大きな塊のまま食べ物を飲み込むことが癖になり消化器官に負担をかけたり、栄養の吸収効率が低下したりする場合があります。
顔貌のゆがみ
顎が小さいことで、子どもの顔貌にゆがみが生じる可能性があります。例えば、以下のような変化です。
- 左右非対称な輪郭
- 口ゴボ(出っ歯)
- しゃくれ(受け口)
- 面長
顔貌の変化は見た目の問題だけでなく、心理的なストレスや自己肯定感の低下に繋がることもあります。
姿勢や集中力への影響
歯並びや噛み合わせが悪いと、姿勢や集中力にも悪影響を及ぼします。
噛み合わせのズレは首や肩、さらには全身の骨格に影響を及ぼし、猫背や首の凝りを招く原因になることがあります。また、口呼吸による酸素供給の不足や口周りの筋肉の緊張による頭痛などが集中力の低下を引き起こすこともあります。
心理面への負担やストレス
歯並びや顔貌に関する悩みは、子どもの心理面に影響を与えることがあります。笑顔や自分の見た目に自信を持てなかったり、自信のなさから消極的になったりといった影響も考えられます。
子どもの矯正を検討するお母さんが増えています

近年、子どもの歯並びが悪いことを心配して矯正を検討するお母さんが増えています。その背景には、歯並びが悪い子どもが増えていることに加えて、不正咬合による健康や生活への影響への理解が広がってきたことが挙げられます。
成長期の子供は骨の発育段階にあるため、早期に矯正治療を始めることでより効果的な結果が期待できます。
お子さんに整った歯並びの
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