
審美クラウン(被せ物)治療の
流れ・費用・リスク
審美クラウン治療とは?
審美クラウン治療とは、虫歯等で失った歯冠部(歯の見えている部分)を白く美しいセラミックやジルコニアで復元する治療です。
古い差し歯が変色してきた…、そんな悩みありませんか?見た目が悪い差し歯や銀歯も、審美クラウン治療で美しいセラミックやジルコニアの被せ物に変えることができます。
- 審美クラウン治療 症例写真
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BeforeAfterBeforeAfterBeforeAfter
- 施術名
- 審美クラウン治療
- 治療費用(1本あたり)
- 60,600円~197,000円
- リスク
- 噛みしめ・歯ぎしりによる被せ物の破損、金属アレルギー、ブラックマージン等のリスク・副作用があります。
審美クラウン治療の流れ
審美クラウン(被せ物)治療はおおよそ次のような流れで進みます。
来院1回目: 術前検査
来院2回目: 既存の差し歯と土台の除去
来院3回目: 被せ物を乗せる土台の設置
来院4回目: 被せ物の仮装着(被せ物の試用期間)
来院5回目: 被せ物の本接着
それでは「保険の差し歯を審美クラウン(被せ物)に変える」という想定で、治療の流れを詳しく説明していきます。
また、初診時の検査・カウンセリングの流れはこちらで詳細を説明しています。併せてご確認ください。
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1カウンセリング
悩みを伺い、治療プラン等をご説明します。また、被せ物の色や形の目標・ご要望を伺います。
2術前検査
レントゲン検査やCT検査など、いくつかの検査をおこない口腔内の状態を調べます。
(検査データは治療計画の立案に役立てています。) -
1差し歯を取り除く
まずは古い差し歯をドリルで削って取り除きます。
ドリルで差し歯を削っていきます。痛みはありません。健康な歯をなるべく削らないように慎重に進めます。 2差し歯の土台を取り除く
差し歯をある程度削ると、差し歯を支えていた金属の土台が見えてきます(コアといいます)。次はこの土台の除去です。
まずは土台のまわりをほんの少しだけドリルで削ります。次に「Pmax」という超音波ドリルを使い、土台を振動で浮かせて取り除きます。
土台の除去に使う「Pmax」という超音波ドリルです。従来の「ドライバーを差し込んで捻って剥がしとる」という方法に比べ、歯の根っこが割れたり傷ついたりするリスクが少なめです。 土台とは何か?なぜ必要なのか?
土台とは、歯の根っこ(歯の残存部分)と被せ物の間に設置するもので、文字通り被せ物の土台です。歯冠部(歯の歯茎より上の部分)がほとんど失われた状態の歯に被せ物を乗せると、支えがないためすぐにその被せ物は取れてしまいます。そうならないように土台を設置するわけです。
3虫歯治療 ※必要な場合のみ
古い差し歯を取り除いてみると、歯が虫歯に侵食されていることが結構あります。もし虫歯があった場合は治療します。(虫歯治療の来院回数は進行度により異なります。)
4歯の形を整える
差し歯の土台を取り除いたら、土台の跡地を綺麗に整形します。このとき、できる限り健康な歯を削りすぎないようにします。
5土台製作のための型取りをする
被せ物の強度を保つには歯に「芯」が必要です。その芯となる「土台」を作るために歯の型取りをします。シリコンまたはアルジネートという粘土のような印象材を押し当てて型を取ります。
型取りは、土台を作るために不可欠な工程です。削ってできた空洞にピッタリあう土台を作るために、歯の形を型取りします。 土台の素材は2種類から事前にお選びいただきます。ファイバー素材とメタル素材の2種類です。審美性を重視される方にはファイバー素材の土台(ファイバーコアといいます)がお勧めです。光を通すファイバーコアなら、天然歯のような透明感を出すことができるからです。 6即席の「土台付き仮歯」をつくってはめる
さて、型取りが終わりました。最後にプラスチック製の仮歯をつくり、削った部分に被せておきます。
土台が完成するまで1週間から10日ほどかかります。それまでの間、削った歯を丸裸にしておくわけにはいきません。そこで即席の仮歯を作ってはめておきます。
仮歯は原則プラスチック製ですが、より美しいセラミックの仮歯を即日ご用意することもできます。必要な場合は来院時にご相談ください。
仮歯をセットしたら今回の処置はこれで終了です。次回診療は土台ができあがったころ、1週間~10日後です。
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前回来院の1週間~10日後に来院いただきます。今回の治療では、歯に土台をセットし、被せ物を作るための型取りをします。
1仮歯を外す
まずは、前回の診療時にはめた仮歯を外します。(外した仮歯はもう使いません。)
2土台をセットし、土台の形を整える
仮歯を外したら、そこに土台をセットします。セットした土台の形を整えます。次に超音波ドリルを使い、歯の淵を滑らかにしていきます。
セットした土台を研磨してなめらかにしているところ。なめらかにすると被せ物との接着面に隙間がなくなり、被せ物がしっかり噛み合うようになります。 超音波ドリルで歯の淵を研磨しています。上の写真と比べ、歯の淵がだいぶ滑らかになっているのがわかると思います。 3型取りする
土台の整形が終わったら、その状態で型取りをします。今度の型取りは「最終の被せ物を作るための型取り」です。前回はアルジネート(粘土みたいなもの)を用いて型取りしましたが、今回は使いません。今回はトリオスという口腔内スキャナーを使って型取りしていきます。
整形した土台にピッタリあう被せ物をつくるために型取りをします。 口腔内スキャナーで型取りしている様子。印象材(型を取る粘土のようなもの)を使って型を取る場合と比べ、患者さんの負担を軽減することができます。 口腔内スキャナーを使って撮影した口腔内立体写真。この三次元データを元に、仮歯を設計していきます。 こちらは被せ物をデザインする専用アプリケーション。口腔内スキャナーで採取した口腔内のデータを入力し、被せ物を3Dモデリングしていきます。歯面の細かな溝や、歯先の不揃いさ、歯の丸み具合なども細かく再現していきます。 4仮歯を作ってセットする
型取りが終わったら現状復帰です。最終の被せ物が出来上がるまでの間(1週間~10日)に使用する仮歯を再度作り、土台にセットします。
さて、仮歯をセットしたら今回はこれで終わりです。次回は被せ物ができたころ、1週間~10日後です。
補足:選択できる被せ物の素材について
当院で選択できる被せ物の素材は三種類です。素材は事前のカウンセリング時に決めていただきます。
被せ物の素材は3種類からお選びいただけます。①最も色味が天然に近いが少々割れやすい「セラミック」、②天然さはセラミックに劣るものの強度に優れた「ジルコニア」、③セラミックに劣らない美しさと強度を兼ね備えた「Sakuraジルコニア」の3種類です。
本工程説明は②③を選択した場合の流れです。もし①をお選びいただいた場合は、この日に被せ物を仮接着して帰ることができ、通院回数が1回少なくてすみます。
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土台を設置してから1週間~10日が過ぎました。今回の治療では最終の被せ物を仮接着します。そして2週間ほどお過ごしいただき、デザインに不満がないかご確認いただきます。
1最終の被せ物をご確認いただく
できあがった最終の被せ物を見ていただきます。もし気に入らなければデザインからやり直します。問題がなければ次に進みます。
2仮歯を取り外す
前回診療の最後に付けた仮歯を取り外します。
3最終の被せ物を仮接着する
取り外したところに「最終の被せ物」をセットします。噛み合わせなどを微調整しながら、土台に仮接着します。
今回の治療はこれで終わりです。仮接着の状態で1~2週間お過ごしいただき使用感をご確認ください。1週間ほど過ごしていると、「もう少し歯を小さくしたい」「もう少し短くしたい」などの細かな気になる点が出てくるはずです。次回来院時に使用感をしっかり教えてください。
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1使用感を伺い、必要があれば修正する
使用感を伺い、形・色味・噛み合わせなどにご不満やご要望がないかをお聞かせいただきます。
もしご要望があれば修正します。その場で修正できる場合もありますが、ゼロから被せ物を作り直す場合もあります。その場合は日数をいただく場合もあります。
2本接着する
問題なければ歯を本接着します。
治療完了。お疲れ様でした! 以上で審美クラウン治療は終了です。
ここから先はメンテナンスです。美しくなった歯を長持ちさせられるよう、定期的に検診やクリーニングを受けてください。
審美クラウン(被せ物)治療の費用
審美クラウン治療の費用は、以下①②の合計金額で決定します。(詳細はこちらをご確認ください)
- ❶審美クラウン治療の本体料金
- (選ぶ素材によって変動。60,600円~131,000円)
- ❷仮歯費用
- 選ぶ素材により異なる。無料~33,000円
- ※上記は1本あたりの費用で、仮歯は2本分費用がかかります。
総額は1本あたり60,600円~197,000円です。分割払いだと、月々約6,000円~です。
総額:60,600円~197,000円
(1本あたり)
月額:約6,000円~※
(1本あたり)
※医療ローンご利用時の分割価格目安です。審査によりローンがご利用できない場合がございます。
治療時・術後の痛み
処置中に痛みはほぼありません。術後に痛みもありません。もし痛みが出た場合には、根っこに何らかの問題があると考えられます。速やかにお知らせください。
当院の保証期間・保証内容
被せ物は1年未満であれば破損時に無料で再治療します。1年以上3年未満は11,000円にて再治療します。3年以上は全額負担となります。
※各保証は当院の指定した定期検診を受診されて、再度の治療時に全身状態の良好な方が保証の対象となります。
審美クラウン治療のリスク
審美クラウン治療には以下に挙げるリスクがあります。カウンセリング時に詳しくご説明します。
1被せ物の破損
歯ぎしりがある方や、噛みしめる力が強い方の場合、被せ物を破損することがあります。
2金属アレルギー
土台(コア)に金属を用いると、唾液によって溶けた金属が体内に取り込まれ、金属アレルギーを起こすことがあります。(土台にファイバーコアを選択した場合にその心配はありません。)
3ブラックマージン
土台(コア)に金属を用いると、唾液によって溶けた金属イオンが歯茎に沈着し、黒っぽい線が現れることがあります。(土台にファイバーコアを選択した場合にその心配はありません。)